OSHIKABU.LIVE
配信予定GVA TECH
終了決算説明会

GVA TECH株式会社 第2四半期決算説明会

ARCHIVE
G
GVA TECH
298A · 情報・通信業
OSHIKABU分析へ
日時
8/17 (月) 16:00
配信形式
Zoom ウェビナー
配信概要
GVA TECH株式会社は、「法とすべての活動の垣根をなくす」をパーパスに、AIを活用して企業の法律業務を効率化する「OLGA(オルガ)」や、「GVA法人登記」「GVA商標登録」などのリーガルテックサービスを開発・運営しています。 本説明会では、2026年12月期 第2四半期決算の内容について、取締役CFO 板倉侑輝氏よりご説明いただきます。
動画の内容

GVA TECH(298A)2026年12月期 第2四半期決算説明会

GVA TECH株式会社(ジーヴァテック、東証グロース:298A)の2026年12月期 第2四半期決算について、取締役CFO 板倉侑輝よりご説明します。第2四半期の決算概要を中心にお伝えし、最後に個人投資家の皆様からのご質問にお答えします。


GVA TECHのサービス概要

当社は2024年12月に東証グロース市場へ上場しました。AIリーガルテック企業として初めて上場した会社で、創業10年目を迎えています。現在は2つの事業を推進しています。

LegalTech SaaS事業は、大企業・中堅企業の法務部門と弁護士の方々向けのサービスです。法務部門向けの主力が法務オートメーション「OLGA(オルガ)」で、AIを活用した契約レビュー、法務データ基盤、契約管理、チャットボットなどのAI法務アシスタント機能を備えています。また今年4月からは、SaaSの提供にとどまらず、生成AIを活用したいという法務部門のニーズの高まりを受けて「OLGA AIコンサルティング」も開始しました。弁護士・法律事務所向けには、今年3月から「ベンパル」の提供を始めています。中でも大きいのが「ベンパル書面作成」で、これまでの契約書チェックに加え、訴状・準備書面・答弁書といった訴訟に使う書面を汎用AIで簡単に作成できるサービスです。OLGAとベンパルは継続課金型のサービスとして提供しており、OLGA AIコンサルティングでは、各社の業務課題に応じた個別支援を行っています。

登記事業は、主に中小企業・小規模事業者向けのサービスです。こうした規模の会社には専任の法務担当がいないケースが多く、契約書のチェックよりも、登記申請・商標・労務・税務といった行政庁向けの手続き・申請業務が多く発生します。当社はこのうち、登記・商標・労務に関する手続きをITで簡単に行えるサービスを提供しています。さまざまな顧客セグメントに対して複数のソリューションを提供しているのが当社の特徴です。

エグゼクティブサマリー

2026年12月期 第2四半期(4〜6月)の売上高は 4億2,000万円 と過去最高を更新しました。特に収益性の高いLegalTech SaaS事業の成長が牽引し、同事業は前年同期比 +23.1% となりました。これに伴い全社の売上総利益率も 64.4%(前年同期比 +2.7ポイント)に向上し、収益性の面でも改善が進んでいます。

事業進捗としては、LegalTech SaaS事業でARRと顧客平均単価が引き続き過去最高を更新しました。第1四半期の決算説明でお伝えした 法務AX(法務のAIトランスフォーメーション)に向けた取り組みが進捗し、「OLGA AIコンサルティング」「ベンパル書面作成」の導入が進んだほか、「OLGA」のMCPサーバー対応をリリースするなど、生成AI活用に馴染むプロダクトへの進化も順調です。加えて、SaaS領域外ではありますが、法務領域の強みを活かした人材紹介「GVA Executive Agent」を開始しました。

期初に公表した業績見通しは変更ありません。全体として、SaaS事業が成長を牽引し、法務AXの進展と提供領域の拡張が進んだ四半期でした。

主要指標:LegalTech SaaS事業のARR・平均顧客単価が過去最高

毎期ご提示している各事業の指標です。

LegalTech SaaS事業

  • ARR:9億7,000万円(前年同期比 +21.7%)
  • 平均顧客単価(月額):13万円(前年同期比 +22.4%)— 継続的に上昇
  • Net Revenue Churn Rate:0.75% — 良好な水準を維持し、前四半期・前々四半期から改善傾向

登記事業

  • 売上高:1億6,200万円(前年同期比 ▲10.1%)
  • サービス利用数:3,524件(前年同期比 ▲18.6%)
  • 累計利用社数:33,698社(前年同期比 +22.1%)

登記事業は昨年の第3四半期にAI検索の影響で売上が落ち込み、その影響がまだ残っています。特に昨年の第2四半期までは順調に伸びていたため前年同期比では大きな減少に見えますが、影響は一旦底を打ってきたと見ています。

ビジネスハイライト①:法務AXの取り組みの進捗

第1四半期に発表した「OLGA AIコンサルティング」と弁護士向け「ベンパル」の取り組みについてです。

OLGA / OLGA AIコンサルティング は既存市場の深耕が狙いで、1顧客当たりの収益力を高めていきます。SaaSを提供するだけでなく、SaaSではカバーしていない業務でお客様が抱える課題に対して、会社ごとの課題に応じたコンサルティングを受託して深く入り込み、そこからさらにOLGAの活用につなげていく取り組みです。

ベンパル は新市場の開拓が狙いです。以前から弁護士の先生方にもご利用いただいていましたが、そこをさらに深掘りし、企業向けだけでなくマーケットポテンシャルを広げていきます。

上期の実績として、これらの取り組みが顧客数の拡大と平均顧客単価の向上にしっかり結びついており、ARR・顧客平均単価・顧客数の増加が全社の売上総利益率の向上に寄与する構造になっています。

ビジネスハイライト②:法務人材特化型の人材紹介「GVA Executive Agent」を始動

7月から、法務人材に特化した人材紹介サービス「GVA Executive Agent」を開始しました。SaaSベンダーが人材紹介を行うのは馴染みが薄いかもしれませんので、背景をご説明します。

市場課題として、日本経済新聞社「企業法務税務・弁護士調査 2024」(主要277社の回答)では、国内主要企業の約8割で法務人材が不足しているとされています。当社がリーガルテックに取り組んできたきっかけも、各企業で法務人材・法務リソースが不足しているという課題でした。これまでは法務の方々がより付加価値の高いパフォーマンスを発揮できるようテックサービスを提供してきましたが、テクノロジーだけでは補いきれない「人」の課題があるのも事実です。そこで、人をつなぐ事業として法務リソースをカバーするのがこのサービスです。

当社はこれまで多くの企業の法務部門と関わり、また弁護士の方々とも接点があります。企業内で働くインハウスロイヤーも増えており、法務人材と法務人材を求める企業の双方に多くの接点を持っていることが強みです。お客様の課題を掘り起こす中で「ここはSaaSで」「ここはAIコンサルティングで」「ここは人材が必要かもしれない」と、さまざまなニーズに対応できる状態になりました。既存顧客へのクロスセルによる収益向上と、新規顧客への接触機会の増加につながる取り組みにしていきます。

ビジネスハイライト③:「OLGA」がMCPサーバーの提供を開始

MCPサーバーは難しく感じられるかもしれませんが、OLGAと、Copilot や Claude など世の中のさまざまな汎用AIをつなぐ仕組みです。これにより、OLGAの画面に入らなくても汎用AIに質問や依頼をするだけで、OLGAに蓄積されたデータを汲み取った回答が得られます。他のツールとも連携し、OLGAに溜まったデータを活用して新しいアウトプットを生み出せるようになる点が、法務AXの重要なピースだと考えています。OLGA自身のUIを高めるだけでなく、汎用AIを中心にした設計も生成AI時代には非常に重要であり、法務AXソリューションとして大きな一歩になっています。

ビジネスハイライト④:「GVA労務書類」のリリース

登記事業の取り組みとして、これまでの法人登記・商標といった手続き領域に加え、社会保険労務士の領域である労務手続きのサポートを始めました。会社設立後には、社会保険に関する届出が必要となる場合がありますが、自分で調べて対応するのは難しいものです。「GVA労務書類」はフォーム入力だけで申請書類を簡単に作成でき、1書類3,000円からというリーズナブルな料金体系で、必要な書類だけをスポットで作成できます。

登記や商標の手続きで培ったノウハウを活かして新しい領域に支援を拡大するもので、登記事業のサービス利用件数の伸びが厳しい状況にある中、アドオンを追加して1ユーザー当たりの収益単価を高めながらグロースさせていく重要な戦略の一つです。

P/Lサマリー

単位:百万円2025/12期 2Q累計2026/12期 2Q累計前年同期比
売上高747820+9.7%
LegalTech SaaS事業397491+23.8%
登記事業350329▲6.2%
売上総利益457522+14.3%
売上総利益率61.1%63.7%+2.5pt
販売費及び一般管理費605645+6.8%
営業損失▲147▲123+24
経常損失▲151▲136+15
当期純損失▲152▲137+14

第2四半期までの累計では、LegalTech SaaS事業の成長により売上高は 8億2,000万円(前年同期比 +9.7%)となりました。利益面では売上総利益率が2.5ポイント向上し、まだ赤字ではあるものの営業損失は 1億2,300万円 と、前年同期から約2,400万円縮小して着地しました。

売上高・営業利益の四半期推移

第2四半期の売上高は4億2,000万円と、2四半期連続で過去最高を更新しました。昨年の第3四半期は、登記事業で生成AI(AI検索)の影響を受けたことに加え、一時期中小企業向けに提供していたSaaSの解約が一時的に増えたことで落ち込みましたが、そこから法務AXに注力し、右肩上がりで伸びてきています。前年同期比で見るとまだ弱い部分はありますが、ここからしっかり伸ばしていきます。

利益面では、営業損失は前四半期より増えて 6,700万円 となりましたが、これは当初から計画していた増員に伴う採用費用等により販管費が約3,900万円増加したことによるものです。

LegalTech SaaS事業の主要KPI①:売上高

LegalTech SaaS事業の四半期売上高は 2億5,700万円 と3四半期連続で過去最高を更新しました(前年同期比 +23.1%、前四半期比 +10.0%)。この継続的な成長が今期の決算を引っ張っています。OLGAを中心としたサブスクリプション売上比率は引き続き90%以上を維持しており、ストック収益が安定的に拡大しています。

LegalTech SaaS事業の主要KPI②:ARRとNet Revenue Churn Rate

2026年6月末時点のARRは 9億7,000万円(前年同期比 +21.7%)と過去最高を更新しました。解約指標のNet Revenue Churn Rateは 0.75% で、昨年の第3四半期に上昇した状態から着実に改善傾向に向かっています。

LegalTech SaaS事業の主要KPI③:顧客数と顧客平均単価

OLGAの導入社数は 618社 で、前四半期末から29社増加しました。顧客平均単価は 13万円 と引き続き上昇しています。単価を引き上げているのは収益性の高い高単価のお客様の増加で、月額20万円以上の導入顧客数は 112社 となり、こちらも増え続けています。

要因としては、OLGAは複数の機能を顧客の状況・課題に応じて個別に導入できるのが強みですが、活用いただく機能がどんどん増えていること、またアカウント数の大きい大手企業での導入が増えていることが挙げられます。かねてから注力してきたエンタープライズ向けの取り組みが数字に表れています。

登記事業の主要KPI

登記事業の売上高は 1億6,200万円(前年同期比 ▲10.1%、前四半期比 ▲2.3%)、サービス利用数は 3,524件(前年同期比 ▲18.6%、前四半期比 ▲6.3%)と、いずれも減少しました。

当事業はSEOを強みにWebからの流入を増やしながらサービス利用数を伸ばしてきましたが、昨年の第3四半期にGoogleのAI検索の影響を大きく受け、伸び悩んで落ち込みました。そこからAI検索最適化(AIO)や集客チャネルの最適化を推進しており、影響は一旦底を打ち始めたとは見ていますが、なお伸び悩んでいるのが正直なところです。引き続きさまざまな手を試行錯誤しながら、サイト流入とサービス利用数の回復に取り組んでいます。

拡大する顧客数とリピート利用

「GVA法人登記」「GVA商標登録」の累計利用社数は 33,698社 となりました。当社のサービスはリピート利用が一定数あり、「GVA法人登記」の第2四半期の利用件数に占めるリピート利用は35.3%と、常に3割以上を維持しています。労務書類などサービス領域を増やしながら、既存ユーザーからの流入も増やしていくことで、オーガニックな新規獲得だけでなくリピートも含めて利用数を広げていきます。

登記以外の法的手続き領域への展開

これまで登記の領域を中心にやってきましたが、2025年に「GVA商標登録」で知財の領域に進み、今期は「GVA労務書類」で労務の領域へと、今年も対応領域を拡大しています。新規顧客とのタッチポイントを増やす部分と、既存顧客の利用機会拡大を通じて、登記事業の成長を目指します。

2026年12月期 通期業績予想(変更なし)

単位:百万円2025/12期 実績2026/12期 予想前期比
売上高1,4832,096+41.3%
売上総利益9141,406+53.9%
売上総利益率61.6%67.1%+5.5pt
販売費及び一般管理費1,2161,375+13.0%
営業利益▲30231+333
経常利益▲3174+321
当期純利益▲3152+317

期初に、今期は売上高 20.9億円通期での黒字化 を掲げました。引き続き利益率の高いLegalTech SaaS事業を伸ばして収益力を高めつつ、販管費の適正化をしっかり進めていきます。上期時点の業績進捗を鑑みても、現時点では期初予想を変えず、達成を目指して進めていきます。

以上が第2四半期の決算概要です。


質疑応答

Q. 開発は継続されると思うが、資金の調達について、増資や業務提携なども考えているか。

調達方針としては、現在の資本コスト等を鑑み、目下は金融機関からの借入を中心に検討を進めています。増資や業務提携等については、その時々の状況や、事業のシナジーがあるかなども含めて検討していければと考えています。適時開示や重要情報に関わることも多いため、お答えしづらい部分はありますが、以上のような回答とさせていただきます。

Q. AIやリーガルテックの普及によって、今後の弁護士や企業法務パーソンに求められる役割やスキルはどう変わっていくと考えるか。

いろいろな会社様や弁護士の方々が集まる場でもよく議論になるテーマで、明確な答えがあるわけではありませんが、共通して出てくるのは「ハードスキルの価値は相対的に下がる」ということです。暗記のスキルや、契約書などのドキュメンテーションスキルは、生成AIがかなりの割合で担えるようになってきており、今後さらに進むと思います。

個人的な見解も多分に含みますが、今後より求められるのは、事業部門や経営層・経営課題に深く入り込み、課題を抽出・整理して実行まで持っていくコンサルティング的な領域、そしてさまざまな部署・ツール・機能を駆使してオーケストレーションしていくスキルではないかと考えています。契約書レビューや訴状などのドキュメンテーションにかける時間はできる限り短くし、それ以外の部分で付加価値を高めていく役割・スキルが必要になってくると考えています。

Q. 他のリーガルテック企業との業務提携や競争の動きも見られるが、業界全体の市場拡大に向けて、他社との「競争」と「共創」のバランスをどう捉えているか。

上場・未上場を問わずリーガルテック企業はかなり増えており、主要プレイヤーに加え、いろいろな領域のサービスベンダーが増えてきていると感じています。競争していく部分と、業務提携してシナジーを生む「共創」の部分は、今後より出てくると思います。各社の目指すところは少しずつ違いますが、私たちが最も気にしているのは、それがお客様にどう映るかです。同じようなソリューション・機能の中で、企業の法務部門や弁護士の方々にとってベストな状態になっているかを注意して見ています。最もユーザーにとって良い方向であれば、しっかり手を取り合って進んでいくと思います。抽象的な回答になりますが、バランスを見ながら進めていきたいと考えています。

Q. 粗利が伸びている中で損失が拡大しているように見えるが、宣伝費の拡大など要因はあるか。広告など販促費用は今後も増えていく想定か。

営業損失は前四半期の5,600万円から今四半期は6,700万円になりましたが、これはベンパルやOLGAを進めるにあたって新たに増員を行った、一時的な採用費用と人件費が最も大きな要因です。広告宣伝費自体は前四半期からほとんど増やしておらず、他のコストもかなり最適化を図っています。今後も、広告宣伝費をどんどんかけたり、コストをかけて新規獲得を進めたりすることは、今のところ想定していません。

これまでのSaaS領域では、大きく広告宣伝費・販促費をかけて大量のリードや商談を獲得するのが一つの型だったと思いますが、全体として広告費用が高騰しており、それが果たして健全なのかを改めて考えるタイミングに来ていると思います。チャネルの多角化や、1社当たりの収益性をどう高めるかを社内でも推し進めています。ご質問の販促費用については、今のところ増やしていく想定はありません。


開始から約40分、多くのご質問をありがとうございました。当社は法務AXとしてAI化にかなり取り組んでおり、生成AIが日々進化する中で「AIに取って代わられるのではないか」という話もよく出ますが、AIコンサルティングなどを始めながら、生成AIを活用して一緒に進化していけるSaaSだと考えています。開発の最適化を進めつつ全体のバランスを見ながら、売上とともに収益もしっかり作っていく構造転換を進めてまいります。引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。

本記事は2026年8月17日開催のGVA TECH株式会社(東証グロース:298A)2026年12月期 第2四半期決算説明会の内容を、配信動画・スライドをもとに編集・要約したものです。数値・固有名詞は同社の決算説明資料等で確認していますが、正確な内容は同社の決算短信・決算説明資料をご参照ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。